だらだらと書いてます。


by luchino001
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

『ローマ人の物語』 塩野七生 新潮文庫

 僕が愛読している本の一つに、塩野七生が10年以上かけて書き綴る長編『ローマ人の物語』がある。
 ローマ人の物語には、単に歴史上の事実だけでなく、政治、組織、国、宗教など、様々なことについて書かれており、政治や国際情勢に関心のある方は必読です。
 ローマとアメリカの他国への占領政策の違いを考えるのもいいし、アウグストゥスがカエサルからその精神を継承し帝政を確立していく過程を、某宗教団体会長の権威化に至る過程と重ね合わせて考えてみるのも、また楽しい。
 他にもいろいろな読み方ができ、好奇心を刺激する内容が山盛りになっている。

 日本が弥生時代の頃、ローマでは巨大な建築物が建てられ、法律によって政治が運営されていた。
 オリンピアの競技会では、ローマや周辺国家から集まった強者が競技や格闘を行い、その会場の外では、哲学者が集まって弁舌をふるい合い、芸術家達は各々の作品を大衆に発表していた。
 さながら五輪と万博が同時に開催されたような活気があったのだろう。
 紀元前202年、カルタゴが生んだ稀代の戦術家ハンニバルと、彼によって窮地に陥ったローマに颯爽と現れた若き才能スキピオ・エミリアヌスとが、お互いの知を尽くして戦った『ザマの会戦』は、現代でもヨーロッパやアメリカの軍において戦術の教材として使われている。
 カエサルのガリア戦記もそうだが、不謹慎にも『芸術的な戦争』『戦術の最高傑作』ってあるんだよな、と思わされてしまうのである。
 科学や文明は進化したが、人間は古代ローマの時代から何一つ変わっちゃいないと、ふと思った。
 文学や哲学は衰退しつつあるから、むしろ退化してるのかもしれない。

 最近、よく思うことは『ローマが生んだ唯一の創造的天才』ユリウス・カエサルの言葉―
 『多くの人間は、自分が見たいと欲する現実しか見ようとしないものだ』

 この言葉は、歴史、国際情勢、宗教、人間関係などについて考えるとき、頼みもしないのにいつも僕の頭の中に現れる。
 古代に生きていた人間の口(あるいは筆を持つ手)から放たれた言葉が、2000年後、ローマから遥か遠く離れた地に住む日本人に、良くも悪くも影響を与えているのである。

 ほら、ローマに対して少しは好奇心が湧いてきたでしょう?

ユリウス・カエサル ルビコン以前(上)ローマ人の物語8
塩野 七生 / 新潮社

amazonの感想、みんな熱いよなぁ・・・。
[PR]
by luchino001 | 2005-08-09 22:19 | 音楽・本・映画