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だらだらと書いてます。


by luchino001
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正直に

 自分自身に忠実でありたいと思う。
 やりたいことをやり、やりたくないことをやらない。
 正しい、好ましい、格好良いと思うことを行い、汚くて卑怯で格好悪いことをしない。
 それだけなのだが、自分はこれっぽっちもできていない。
 いい人ぶって自分をゴマカし、言い訳を作っては自分を正当化する。
 やりたいことをやらずやりたくないことを渋々受け入れるときはそんなことをしているのだ。
 まったくどうかしている。

 最近、千葉敦子氏というジャーナリストの本『死への準備日記』を読んだ。
 タイトルから想起させられるように彼女は癌で亡くなっているのだが、読んでみると悲壮感はまったくなく、冷徹な視線と確固たる意志で貫かれている。
 病気と取っ組み合いをしながらも仕事や趣味をこなしてひたすら走り続ける姿が書かれ、並の人間ではとても出来ない濃度の高い日常。
 驚くほどタフな精神力だ。
 滅茶苦茶気が強く自分に自信があって、時に辛辣なことや眉をしかめたくことも書かれているが、この人の性格とエネルギーに少し羨ましくなってしまったわけで、その本にこんなことが書かれてあった。

 人生に求めたものは

新聞記者になりたいと思った
新聞記者になった
経済記事を日本語で書いた
経済記事を英語で書いた
ニュースを書いた
コラムを書いた

世界を旅したいと思った
世界を旅した
プラハで恋をした
パリで恋を失った
リスボンでファドを開いた
カルグリで近郊の中を歩いた

本を書きたいと思った
本を書いた
若い女性のために書いた
病んでいる人のために書いた
笑いながら書いた
葉を食いしばって書いた

ニューヨークに住みたいと思った
ニューヨークに住んだ
毎晩劇場に通った
毎日曜日祭りを見て歩いた
作家や演出家や画家に会った
明白な説明を受けて癌と戦った

私が人生に求めたものは
みな得られたのだ
いつこの世を去ろうとも
悔いはひとつもない
ひとつも


 ここまで自分に忠実に生き切って終わった人はそうはいないだろう。
 こんな風に生きるのは僕には間違いなく無理だが、もう少し我儘にならないとこのままじゃやっぱりつまらん。
 どれだけ日常を主体的に動いているかを時々確認しよう。
 恐る恐るでもとにかく一歩を踏み出せば、たとえ小さくとも風は起こる。
by luchino001 | 2007-01-23 21:47 | 思ったこと